「遠山ガイドの会」の研修会が行われました
3/2遠山郷土館において「遠山ガイドの会」の研修会が行われました。
今回は、飯田市美術博物館主催の学習講演会でしたが。過去最高の30名の参加でした。
最初に「伊那谷を襲った近世2つの地震」と題して飯田市美術博物館の坂本正夫氏が講演しました。伊那谷に被害を与えた地震は歴史に記録があるもので11個あり、特に大きな被害があった「遠山地震(306年前)」と「安政東海地震(170年前)」について詳しくその特徴について説明されました。
「遠山地震」は伊那谷では唯一の内陸型地震で中央構造線が動いた地震で震源地は和田、規模はM7.0という大地震で4県に被害がまたがって記録されている地震であること。「安政東海地震」は東海沖が震源で南海トラフのプレート境界型地震で規模はM8.4という巨大地震であったことなどが紹介されました。今後近い将来「東海沖地震」が.について発生するといわれており、予防対策をとって望むことが大切であることを強調されました。
次に「「小字」と「年表」にみる遠山の災害ー最近の地震災害もみて何を学ぶか!」と題して遠山ガイドの会会長代理の梶間八十五郎氏の研究発表がありました。
最初に遠山にある災害を物語る「石碑」を紹介しその特殊性を解明しました。次に「遠山の歴史年表」の分析から1600年~1900年ころに記録された地震、日照りなど天候異変餓死者、大洪水、火災などが一人の生涯の中で繰り返し襲っており生き抜くことが大変な時代であったことを説明しました。その100年前の近くの記録からは戦国時代がそれ以上に過酷な災害との戦いでありその背景に小氷河期と呼ばれる時代に入っていたことがあることを紹介し一気に戦争・内乱が増えていった背景も説明されました。
遠山の「小字」の9割近くが「災害地名」であり、公図に移してみるとその多くが「中央構造線」や「遠山川断層」「仏像構造線」などの断層に沿って並んで居ることがわかることも紹介されました。最近の事例の解明も紹介され「大災害がいつどこで起きても不思議でない」こと、「明日は我が身とならないために必要なこと」などについても触れられました。
「能登半島地震」直後ということもあって多くの人が参加し熱心に聞き入っていました。
3/9「遠山ガイドの会」の研修会が行われました。
これは「ツアーが極めて少なくガイド力の向上がなかなか図れない」という声が多い中で、短期間で急速な進歩を遂げた2人の新人ジオガイドの経験から学ぶことを目的に取り組まれたものでした。経験発表をした2人とも昨年から今年初めにかけて養成講座に参加したメンバーです。
野牧喜幸氏は「下栗の里」の案内を例に出しながら、先輩の地域の昔のことを話すだけのガイドから「遠山」の特徴、「下栗」の特徴を整理して「仏像構造線」や地質などとも関連させて語る工夫をしてきたこと、お客様の状況に応じて10分でも3分でも語れるように工夫してきたことなどを紹介しました。野牧氏は「下栗」だけでなく「御池隕石クレーター」や「しらびそ高原」「程野露頭」など上村に関するどのサイトでもこなせるようになっており準備の大切さが印象的でした。
仲山岳典氏は一年の2/3は「便りが島の山小屋の管理人」として一般的なツアーには全く参加できない中でしたが、お客様の送り迎えの中でいくつかのサイトをジオ的な内容も含めた解説をする活動を続けてきました。解説がなければただ通り過ぎるだけの所が親切な解説がとても喜ばれているようです。また山の仲間で「能登半島地震」の炊き出し支援に行ってきたことの報告もありました。ボランテイア活動なので「泊まる所」や「食事」が自前なのは当たり前ですが、「断水」が続く中でしたので水の確保がさらに負担になる炊き出しの活動でありその苦労がよくわかりました。
役者や俳優は「本番」は勝負の時であるとして臨みます。そのためにセリフや所作の練習を独自に繰り返すわけで「ツアー」を本番としてとらえて準備するという真剣さが必要であることがわかる研修会でした。
R06.03.02遠山ガイドの会研修会写真
R06.03.09遠山ガイドの会研修会写真
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