大鹿村にて講演会が開催されました
大鹿村にて、『南アルプスは高くなっているか』、『GPSでわかってきたこと』という2つのテーマについて、講演会を開催しました。
講師:鷺谷 威 氏(名古屋大学減災連携研究センター教授)
日時:2015年11月21日(土)午後1時30分~3時30分
会場:大鹿村交流センター
主催:大鹿村中央構造線博物館、大鹿村教育委員会
参加者:約30名
『南アルプスは高くなっているか』では、地殻変動の観測からわかったことや山の高さの求め方などについてお話しいただきました。
よく南アルプスは年間4mm高くなっていると言われますが、この数字は100年間で40cm隆起したという値を平均したものです。ただ、隆起して高くなっているということは確かだそうです。
一方、2014年4月1日、国土地理院は日本の山の標高値の改定を行いましたが、これはGPS測量など新たな技術の発展・普及に伴い、全国の三角点の標高を改定したためで、実際に山が高くなったわけではありません。
『GPSでわかってきたこと』では、日本列島全体の地殻変動など、観測結果からわかってきたことについてお話しいただきました。蓄積した観測データから、地震などの前後の変化も明らかとなってきました。また、GPS測量により、地球のプレートの運動は観測事実となりました。
ちなみに、GPS(Global Positioning System)とはアメリカが開発したシステムで、人工衛星の電波を受信して経度・緯度を測定し、位置を測量する技術です。現在ではGPS以外にも人工衛星を用いた測位システムが世界各国で運用されているため、これらをまとめてGNSS(Grobal Navigation Satellite System)と呼んでいます。
専門的な内容にも触れましたが、参加された皆様がとても熱心で、講演後の質疑応答も活発にしておられました。また、講師の鷺谷さんも丁寧に対応して下さり、貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました。
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